1年の家計簿を振り返り、
来年のお金が貯まる体質を作る方法
1年間の家計簿を締めくくるこの時期は、ただ数字を眺めるだけでなく、来年のお金との付き合い方を見直す絶好のチャンスです。
「頑張って家計簿をつけているのに、なかなかお金が貯まらない…」と感じている方も多いのではないでしょうか。実は、お金が貯まる人には共通の「体質」があります。その体質とは無理なく、自然とお金が貯まる仕組みが家計に組み込まれていることです。
この記事では、家計簿の振り返りを通じて、単なる節約ではなく、来年こそお金が貯まる体質へと生まれ変わるための具体的なステップを紹介します。過去の支出を冷静に分析し、未来に向けた賢いお金の使い方をデザインし直しましょう。
ステップ1:現状把握と「お金のムダ」の特定
来年こそ確実にお金を貯め、将来の不安を解消したいのであれば、まずは過去1年間の家計の「現状把握」から始めることが重要です。家計簿を振り返る作業は単なる記録ではなく、「お金が貯まらない体質」から「お金が貯まる体質」へと根本的に変えるための、最も重要な土台作りとなります。
1. 1年の収支を「見える化」する
家計の現状を客観的に把握するために、まずは1年間の収支を「見える化」しましょう。この作業は手書きの家計簿、家計簿アプリ、Excel(エクセル)など、どのツールを使っていても構いません。大切なのは、ツールではなく「年間合計額」を出すことです。
特に、以下の3項目は自身の家計の健康状態を示す最も重要な指標となるので、必ず年間合計額を明確にしてください。
年間収入
額面ではなく、手取りの年間合計額です。
年間支出
実際に使ったすべての年間合計額です。
年間貯蓄額
貯金や投資に回した金額、負債返済額の年間合計です。
この3項目を把握することで、「年間収入」-「年間支出」=「年間貯蓄額」となっているか、そして「年間貯蓄額」が目標に達しているかを一目で確認できます。もしマイナスになっている場合は、早急な対策が必要であることがわかります。
2. 支出を3つのカテゴリーに分類する
次に年間支出を「ムダ」を発見しやすくするために、性質の異なる以下の3つのカテゴリーに分類し直します。この分類によって、「どこに問題があるか」の分析が格段にしやすくなります。
1. 固定費(削減効果大)
毎月ほぼ一定額で発生し、一度見直せば永続的に効果が続く支出です。削減に最も大きな効果をもたらします。
2. 変動費(使いすぎの原因になりやすい)
月によって支出額が変動し、日々の生活習慣が反映されやすい支出です。使いすぎの原因になりやすく、日々の意識でコントロールが必要です。
3. 特別支出(年間で見ないと見落としがち)
毎月は発生しないが、年間で見ると高額になる支出です。計画性のない出費は家計を大きく圧迫します。
3. 「削るべきムダ」を発見する分析法
3つのカテゴリーに分類できたら、いよいよ「お金のムダ」を発見するための分析に入ります。
固定費の「闇」を暴く
固定費は「聖域」として見過ごされがちですが、実は家計改善の「最大のレバレッジ(てこの原理)」がかかる場所です。
- 「使っていないサブスク」のリストアップと解約:動画、音楽、アプリなど、契約しているものの利用頻度が低いサービスはありませんか? 月数百円でも年間では数千円になります。
- 「高すぎる保険料」の見直し:加入時のまま放置していませんか? ライフステージに合わない過剰な保障や貯蓄性の低い保険を見直すことで、毎月数千円〜数万円の削減が可能です。
- 「格安SIMへの乗り換え可能性」の検討:大手キャリアの高いプランを惰性で使っていませんか? 通信費は固定費の中でも特に削減効果が出やすい項目です。
ステップ2:来年の「貯蓄体質」を作る仕組みづくり
貯蓄を「支出」のトップに置く(先取り貯蓄の仕組み化)
お金を貯める体質を作るためには、「余ったら貯蓄する」という考え方を捨てることが非常に重要です。そうではなく、「貯蓄を最も重要な『支出』とみなし、収入から先に差し引く」という逆算思考を導入します。これは、「収入 − 貯蓄 = 生活費」というシンプルな公式に基づいています。
貯蓄目標の立て方:現実的な目標設定
貯蓄目標額を設定する際、「〇百万円貯めたい」といった願望ベースではなく、ステップ1で判明した「削れるムダ(無駄遣い)の総額」に「無理なく捻出できる追加の貯蓄額」を上乗せした、現実的な金額で決めることが成功の鍵です。
自動で貯まる仕組み:強制力を活用する
貯蓄の成否はあなたの強い意志に頼るのではなく、「仕組みの強制力」にかかっています。最も強力なのは、給与から自動で天引きされる「財形貯蓄」です。手取り額を受け取る前に貯蓄が完了しているため、使い込む余地がありません。
ボーナスからの貯蓄ルール
ボーナスは家計の大きな助けになりますが、こちらも全額使い切らず、「ボーナスからも自動で一定額を貯蓄に回すルール」をあらかじめ決めておきましょう。これにより、年間目標達成のスピードを加速させることができます。
予算を「変動費」ではなく「特別支出」中心で立てる
家計管理で多くの方がつまずく原因の一つに、「特別支出」への備え不足があります。自動車税、固定資産税、車検代、旅行費、冠婚葬祭費、お子さまの入学・進学費用など、月々ではないけれど必ず発生する「確定出費」に備えていないと、その都度貯蓄を取り崩してしまい、計画が狂ってしまいます。
年間イベントリストの作成
- 特別支出のリストアップ:来年1年間で発生が確定している、または予定している特別支出をすべてリストアップし、それぞれの見込み額を計算します。
- 特別費の積み立て:リストの合計額を12ヶ月で割ります。この金額を毎月、生活費口座とは別の「特別費口座」へ自動で積み立てる設定を行います。
これにより、年間を通して突発的な大きな出費が発生しても、特別費口座から対応できるため、「貯蓄を取り崩す」という事態を効果的に防ぐことができます。
家計管理の手間を最小化する
家計簿は、本来、お金の流れを把握し、改善するためのツールですが、「完璧を目指しすぎる」と挫折の原因になりがちです。家計管理は継続することが何よりも大切です。
「完璧な家計簿」は挫折のもと
現代は、家計管理の手間を大幅に削減できるツールが充実しています。手書きやレシート入力にこだわるのではなく、家計簿アプリの銀行・クレジットカード・QRコード決済との自動連携機能を最大限に活用しましょう。これにより、レシート入力の手間がなくなり、家計管理の負担が劇的に軽減されます。
まとめ
1年の家計簿分析の結果、自身の支出の傾向や改善点が見えてきたことと思います。来年こそお金が貯まる体質を作るには、見直した「浪費」や「無駄な出費」を具体的な削減目標として設定し、それを継続することが鍵となります。
無理のない範囲で、「使う」「貯める」「増やす」のバランスを見直しましょう。特に「貯蓄の自動化」は非常に有効です。
毎月の収入から先に一定額を貯蓄に回す仕組みを作ることで、着実に資産を築くことができます。来年は意識的な行動と仕組み化で、より豊かな家計を目指しましょう。
