花粉症の薬代が戻ってくる?知らないと損する控除の知識
つらい花粉症の季節、繰り返しの通院や薬代の出費は家計にとって大きな負担ですよね。「仕方のない出費」と諦めてしまいがちですが、実は払ったお金の一部が戻ってくる仕組みがあることをご存じでしょうか。
それが「セルフメディケーション税制」や「医療費控除」という制度です。少し難しそうな名前に聞こえますが、要するに1年間の薬代や医療費が一定額を超えたら、税金が安くなるという、国が用意してくれている応援ルールのようなものです。
この記事では、どうすればお金が戻ってくるのか、初心者の方にも分かりやすく解説します。知っているだけでお財布の痛みが少し和らぐはずですよ。
1. 「セルフメディケーション税制」とは?
1月1日から12月31日までの1年間で、対象となる市販薬を家族みんなで合計12,000円を超えて買った場合、その超えた分(最大88,000円まで)を所得から差し引くことができます。確定申告をすることで、すでに払った所得税が戻ってきたり、翌年の住民税が安くなったりするメリットがあります。
対象になるのはどんな薬?
ドラッグストアで売っているすべての薬が対象ではありません。主に、以前は病院でしか処方されなかった成分が含まれる薬(スイッチOTC医薬品)が対象です。
💊 対象薬の見分け方
- 見分け方: パッケージに「セルフメディケーション税制 対象」というマークがついているもの。
- レシートを確認: レシートの商品名の横に「★」などの印がついていることが多いです。
- 対象例: 花粉症の飲み薬や目薬、貼り薬(湿布)、風邪薬、痛み止めなど。
利用するための2つの条件
📋 申請に必要な条件
会社での健康診断、特定健診、インフルエンザの予防接種など、何らかの検診や予防を受けていることが必要です。
1年間のレシートや領収書が「証明書」になります。捨てずにまとめて取っておきましょう。
2. どっちがお得?「通常の医療費控除」との比較
昔からある「医療費控除」と、最近よく聞く「セルフメディケーション税制」のどちらを使えばいいのかという点です。実はこの2つ、どちらか一方しか選べないという決まりがあります。
🏥 医療費控除:病院によく行く人向け
自分だけでなく家族全員分を合わせて、年間の医療費が10万円を超えた場合に使える制度です。
対象: 病院での診察代、処方薬などが含まれます。
目安: 入院や手術、高額な歯科治療があった年は、こちらの方が圧倒的にお得になります。
🧴 セルフメディケーション税制:薬局で済ませる人向け
ドラッグストアで購入した対象の市販薬が、家族で年間1万2千円を超えた場合に使える制度です。
対象: パッケージに共通のマークがついた薬。花粉症のアレグラやアレジオンなどの多くがこれに当たります。
目安: 「大きな病気はしていないけれど、花粉症や風邪の薬代が結構かかったな」という年は、こちらの方が使いやすくお得なケースが多いです。
💡 結局、どっちがお得?
判断のポイントは「病院代が合計10万円を超えるかどうか」です。
- 10万円を超えそうなら:「通常の医療費控除」を選びましょう。
- 10万円には届かないけれど市販薬を1万2千円以上買ったなら:「セルフメディケーション税制」を選びましょう。
どちらもレシートや領収書が必要ですので、捨てずに取っておくのが「損をしない」第一歩です。
3. 申請に必要な「一定の取組」って何?
「セルフメディケーション税制」を申請するためには「一年間、健康のためにちゃんと行動していました」という証明、つまり「一定の取組」が必要になります。
🩺「一定の取組」とは?
一言でいうと健康診断や予防接種を受けていることです。国が「自分で健康管理を頑張っている人には、お薬代の負担を軽くしてあげますよ」というルールを作っているため、この証明が必要になります。
具体的には、その年に以下のいずれかを受けていればOKです。
- 職場での健康診断(定期健康診断)
- 市区町村の健康診査(メタボ検診など)
- インフルエンザなどの予防接種
- 人間ドックやがん検診
「特別なことをしなきゃ!」と身構える必要はありません。会社員の方なら毎年の健康診断、子どもがいる方ならインフルエンザの注射などが、そのまま「取組」として認められます。
申請のために「捨ててはいけないもの」
📁 絶対に保管すべき2つのもの
薬局で「セルフメディケーション税制対象」という印がついた薬(アレグラやアレジオンなど)を買った際のレシート。
「一定の取組」を行った証明書です。診断結果の原本を出す必要はなく、受診した「氏名」「日付」「健診名」がわかる部分の写し(コピー)などで大丈夫です。
4. 【スマホで完結】確定申告のやり方3ステップ
「手続きが難しそう……」と敬遠されがちですが、今はスマホひとつで自宅から完結できます。その簡単な3ステップを紹介します。
📱 3ステップで完了!
1 必要なものを手元に揃える
まずは準備です。以下の3つを用意しましょう。
- 購入したお薬のレシート(領収書): 商品名に「★」などの印がついているものが対象です。
- 源泉徴収票: お勤め先からもらう、年収が書かれた書類です。
- マイナンバーカード: 本人確認とログインに使用します。
2 スマホで「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
国の専用サイト(確定申告書等作成コーナー)へアクセスします。
- 「作成開始」を押し、マイナンバーカードを使ってログインします。
- 画面の案内に従って、源泉徴収票の内容を入力していきます。
- 控除の選択画面で「セルフメディケーション税制」を選び、レシートの合計金額を入力します。
3 内容を確認して送信!
入力ミスがないか確認します。還付される金額(戻ってくるお金)が表示されるので、振込先の銀行口座を入力しましょう。最後に「送信」ボタンを押せば完了です。書類を郵送したり、税務署の長い列に並んだりする必要はありません。
⚠️ 大切なポイント
この制度を使うには「健康診断や予防接種を受けていること」が条件になります。また、レシートは5年間の保管義務があるので、捨てずに封筒などへまとめておきましょう。
「どうせ少しだけだし……」と思わずに、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
まとめ
知っておきたい控除のポイントとして、「セルフメディケーション税制」はドラッグストアで買った対象の市販薬が、年間で合計12,000円を超えると所得控除を受けられます。花粉症の目薬や飲み薬も対象になることが多いですよ。
レシートは捨てずに保管をしましょう。「セルフメディケーション税制対象」というマークが目印です。通院費などが多く、合計10万円を超える場合は従来の「医療費控除」の方がお得になる場合があります。どちらか一方しか選べないので、よりお得な方を選びましょう。
花粉症は毎年のことだからこそ、こうした知識が数年後の節約に大きく響いてきます。確定申告と聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、スマホでパパッと申請できる便利な時代です。「知らないと損」を「知ってて良かった」に変えて、賢く花粉シーズンを乗り切りましょうね。

